人は食べずに生きていけるか
不食。何も食べずに生きている人たちが注目されています。はたして人は食べずに生きていけるのでしょうか。
この疑問に答えてくれたのは、ヨガナンダ先生と聖女テレーゼ・ノイマン先生。テレーゼ先生をドイツまで訪問してヨガナンダ先生が不食の秘密について質問をします。
「あなたは何も召し上がらないそうですね?」
私はこの答えを彼女自身の口から聞きたかった。
「はい、毎朝六時に祭壇に供えた聖餅をいただくほかは何も食べません」
「その聖餅はどれくらいの大きさなのですか?」
「銅貨くらいの大きさで、紙のように薄いものです」
彼女はこう答えると付け加えた。
「私はそれを聖餐の意味でいただくのでございます。祭壇に供えたものでなければ、のみ込むことができないのです」
「もちろんあなたは、十二年もの間、それで命をつないできたわけではありませんね?」
「はい、私は神様の光で生きているのでございます」
何と明快な答えであろう。なんとアインシュタイン的言葉であろう。
「あなたは生命のエネルギーが、エーテルや太陽や空気からからだの中に注ぎ込まれていることを知っておられるのですね?」
ほほえみが彼女の顏をほころばせた。
「私がどうして生きているのかわかってくださって、ほんとうにうれしうございます」
「あなたの神にささげられたご生涯は、キリストがおっしゃった『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つのコトバによって生きるモノである』という真理を毎日実証するものですね」
この説明に、彼女は再び大きな喜びを表した。
「ほんとうにそのとおりでございます。私が今日この世にこうして生きている理由の一つは、食べ物によらず見えない神の光によって生きられることを証明するためでございます」