ヨーガとインド伝承医学アーユルヴェーダ

2021年11月16日

東洋医学発祥のルーツであるインド伝承医学「アーユルヴェーダ」。ヨーガということばは親しみがありますが、アーユルヴェーダとヨーガはどのような関係にあるのでしょうか。今日はインド哲学に大変詳しい医学博士の青山圭秀先生に教えていただきます。

理性のゆらぎ―科学と知識のさらなる内側

インド伝承医学をアーユルヴェーダ(Ayurveda)という。Ayur(Arus)とは生命、Vedaとは知識、あるいは科学を意味する。したがって、 アーユルヴェーダ とは生命の科学、あるいは生命についての真理を意味している。さて、読者はヨーガと言う名は聞いたことがあっても、アーユルヴェーダは知らないといわれるかもしれない。この二つの巨大な体系の違いについて、あえて言うならば、アーユルヴェーダはヨーガに理論的基盤を与えるものといえる。深いレベルでの「生命」の成り立ちと仕組み、心と体の健康の維持・増進、病気の治癒、といったことを語ったのがアーユルヴェーダであり、その次のステップとしての意識の高揚、拡大、解脱、といったことを語ったのがヨーガなのである。しかし結局は、この二つは同じものの異なるレベルの表現であり、これらを厳密に区別することは実際上、あまり意味が無い。

漢方とアーユルヴェーダには、五行説と五大元素、気とプラーナなどの類似があることに気づきます。その点についてはどうでしょうか。

このアーユルヴェーダの知識は、代々インドに伝えられ、一部は北に伝わってチベット医学に、また一部は南に伝わってジャムウになったといわれる。それは今日われわれに親しみの深い中国医学とも、密接に影響しあったに違いない。それでは、これらインドと中国の二つの英知は、どういう関係にあるのだろうか。再び結論から言えば、これもまた最も深い部分では同じものであり、そのインド流と中国流の表現といえる。

気功の専門家から見れば、方法こそ違え、ヨーガは本質的に気功と変わらないように見えるに違いない。しかし、ヴェーディストたちが、アーユルヴェーダこそ世界の医学の母体であったと考えていることもまた、事実である。実際、たとえばアラビア医学は、その成立の初期(起源7~8世紀)において、すでにアーユルヴェーダを学び、これを取り入れている。