人工心臓を入れるとなぜ性格が変わるのか?

心臓手術をして人工心臓を入れると性格が変わる?そんなことが実際にあるそうです。ブリストル大学で脳を研究し、神経学の学位を取得した脳科学ジャーナリストのヘレン・トムスン先生に伺います。

男性は心臓疾患があったので、人工心臓を入れた。この第二の心臓の感覚は彼の行動に影響をもたらした。新しい心臓は元の心臓のようには外部の出来事に反応しない。すると彼は、手術前は問題無く他人に共感できていたのに、機械の心臓の支配下に置かれてからは、他人の思惑を読むのが苦手になり、痛そうな画像を見ても共感せず、決断を下すのが難しくなったのだ。

このことは、我々は外界の出来事を知性によって論理的に理解しているかもしれないが、外界に対する豊かな感情的反応はその出来事に対する身体反応(心臓の鼓動、手のひらに汗をかくなど)を自覚することによって引き起こされるという説を証明する。

自分の身体の状態を感じる能力を内受容という。知らぬうちにみなこの能力を使っている。科学者たちは内受容の能力を測るために、心臓の鼓動のテストを使うことが多い。自分の心臓の鼓動をよりはっきりと感じている人は、自分の感情を読むことにも長けている。自分の感情を解釈する能力が高い人は、必然的に他人の感情を解釈する能力も高い。内受容能力が高い人は身の回りのかすかなヒントを基に判断を下すことも得意で、より素早く直感的な決断ができる。

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