病は気からは本当か

2021年11月17日

古くから病は気からといわれています。お薬の世界では、心理的要因で薬の効果が変わることが知られています。

こころとからだの関係を教えてくれたのは、ハワード・ブローディ先生です。

プラシーボの治癒力: 心がつくる体内万能薬

プラシーボとは、プラセボともよばれる偽薬のことです。

お薬の開発をするとき、偽薬と本物の薬を投与して効果を調べますが、偽薬でも飲んだ人にはなんと40%くらいの人に効果が出ることが知られています(%は薬の種類により異なります)。これをプラセボ効果といいます。

プラシーボ反応について科学がこれまでに明らかにしたことを大ざっぱに理解する一番いい方法は、私たちの誰もが「体内の製薬工場」をもっていると想像することだと思う。私たちの身体は、いろいろな病気を治したり、全般的な症状を改善したり、私たちをより活動的にしたりする多くの物質を作り出すことができる。身体が自動的にそのような物質を分泌した場合が、よく「自然治癒」とよばれるものだ。しかしときには、身体の反応が遅いように見えることもある。そんな時は、外からのメッセージが、身体を目覚めさせるモーニングコールの役目を果たすことができる。つまりプラシーボ反応とは、そのモーニングコール―新しい意味づけメッセージーに対する体内の製薬工場の反応と考えることができるのである。

人間の身体というものは、実に驚くべき創造物だ。中でも最も感嘆すべき特徴のひとつは、自分を苦しめるであろう異常のほとんどを食い止める様々な手段が生来備わっていることである。身体に細菌が入って病気を起こそうとすると、身体の免疫系が細菌と戦い、ついにはやっつけてしまう。有毒な化学物質が体内に入ろうとすると、胃が毒素の侵入を妨げる。医学的な治療をまったく受けなくても、多くの人はほとんどいつも健康であり、そこそこ長生きできるのである。「自然に治る」という考え方は非常に重要であり、心に留めておく必要がある。大抵の病気の場合、体外からの治療と体内の製薬工場の働きを組み合わせることで、治癒はもっとも早くて完全なものになるのである。