この世界の不思議
天才と呼ばれる科学者この世界をどのようにとらえているのでしょうか。今日はアメリカの日系物理学者ミチオ・カク先生に伺います。
自然界のすべてを見わたして、何より大きな謎をふたつ挙げるとしたら、心と宇宙だ。われわれは、途方もないテクノロジーによって、何十億光年も遠くの銀河を写真に収め、生命をコントロールする遺伝子を操作し、原子の奥処を探ることができるようになったが、心と宇宙についえはまだとらえきれず、じれったい思いをしている。このふたつは、科学の世界で知られている中でも、最高に謎めいて魅力的なフロンティアといえる。
宇宙の壮大さを味わいたければ、夜、何十億もの星が輝く天に目を向けるだけでいい。祖先が星空のすばらしさに初めて息をのんだときからこのかた、われわれは永遠の問いに頭を悩ませてきた。これはみんなどこから生まれたのか?みんな何を意味しているのか?
われわれの心の謎を目の当たりにするには、鏡に映る自分を見つめ、こう思いさえすればいい。この瞳の向こうに何がひそんでいるのだろう?するとこんな疑問がよく浮かぶ。われわれには魂があるのだろうか?死んだらどうなるのか?そもそも「私」とは何者なのか?