生きていても仕方ない、と思った時は
悩んだり、落ち込んだり、時には、生きていても仕方ない、自分には生きる価値があるのかしら、なんて思うことってありますよね。そんな時の心の持ち方を、臨床心理家の河合隼雄先生に伺います。
われわれはやっぱり、人間であるということがフルタイム・ジョブですから、何もしなくていいんですよ、人間であれば。というか、生きているということがフルタイム・ジョブなんですね、このことをみんなが腹の底からわかっていれば、臨床心理士もやりやすいんですがね。
よく言われるでしょう、「私はもう生きていても仕方ない」とか、「将来になんにも見込がない」とか。
「生きていてもつまらないことばかり」とか言っても、みんなフルタイムで生きておられるわけでしょう。それがほんとにわかったらいいんですが、それがなかなか。われわれ臨床心理家だって、人間であることがフルタイム・ジョブだってことを忘れているんですから。